FX投資家は自らの意思で取引せよ

周囲に惑わされがちなFX個人投資家自らの意思を持った投資行動を

合理的でない人間の心を分析する行動経済学

 

為替は相対取引ですから、お互いが了承したレートが「為替レート」として決まります。余っている通貨は売られ、希少価値が高い通貨は多くの人が欲しがるので、価格が上昇します。

 

他の人と同じ行動を取りたいという心理をハーディング効果といいます。これは投資行動にもあてはまります。個人投資家には特に、「多くの人がやっていて、今上がっているらしい」とか、「自分もやってみたい」といった心理が働きがちです。こういった心理状態で投資家が市場に多く参加すると、買う→上がる→さらに欲しくなって買う→
さらに上がるといった現象が起こります。実態よりも人々の「欲しい」という感情によって価格が上がっていくことを「バブル」と呼ぶわけです。

 

金融工学や伝統的なファイナンス理論には「経済は、常にフェアバリュー(適正価格)で均衡している」という前提があります。つまり、バブルのような現象は「例外」であって、解析できないのです。しかし、実際にバブルやそれに類似した現象は起こっています。

 

心理学からアプローチして、投資家の行動意識を分析するために、行動経済学が誕生しました。合理的でない人間の心理による経済行動を理解することで、個人投資家がマーケットでやってしまいがちな失敗や、気をつけておきたい行動かひも解けます。

 

投機に近い運用資産機関投資家の思惑も働く

 

為替は、投資というより投機に近い運用資産だと個人的には思います。FX市場では年間800兆ドルもの大きなお金がやり取りされていますが、そのほとんどが機関投資家の投機によるもので、貿易など、実需の売買によるものではありません。

 

ここに、マーケットのことをよく知らない個人投資家が入っていったらどうでしょうか。四六時中マーケットを追い続ける機関投資家とは、情報を受け取るタイミングも、投資を実行する迅速性も大きな差が生じてしまいます。株や債券など数ある資産の中で、為替が一番、その違いを顕著に示します。

 

株価におけるPBRやPERのように、フェアバリューを計算し、現在の価格が割高である、割安であるなど投資の根拠となりうるちょうどいいモデルがないのも為替の特徴です。だから、特に運用を始めたばかりの個人投資家は、「円高になってきた」「円安になりそう」といった思惑で動いてしまいがちなのです。

 

震災後の3月17日にドル/円相場が76.25円をつけたことは記憶に新しいと思います。大手生損保が、円を確保するために大量の外債を売るらしいとの思惑も働いたようですが、それとは別に機関投資家による攻防戦が繰り広げられていました。 ドル/円でいえば、為替はだいたい6円のレンジで集団持ち合いを続けています。この間を行き来している問は、おそらくFX個人投資家にとっても利益を得やすい状況でしょう。しかし、何かの拍子に下値、上値を突き抜けることがあるのです。

 

3月の際は80円かこの下値のブロックでした。このブロックを崩そうとする投資家と、守ろうとする投資家との間に攻防戦が行われていました。80円で米ドルを購入した人にとって、79円への変動は−1円となりますが、78円で2倍の金額をショート(売り建て)しておけば、1円分のプラスとなります。ブロックが一度決壊するとなだれのよ引こ円高方向に進行します。ちょうどその時間帯の市場参加者は少なく、一方的な大量取引が行われました。結果として、ドル/円の戦後最高値を更新したのです。

 

機関投資家の問では、たびたびこのような取引が起こります。資産状況に似合わない大きなレバレッジをかけてFXをする個人投資家に、この攻防を知らずに多額の損失を被っているケースが多いようです。世界ではクレジットリスクが高まっている。

外国為替市場では、軟調な寄付きとなった欧州株式市場や米国株式先物が底堅く推移したことを受けてリスク回避の巻き戻しが優勢となり、ユーロなどの主要通貨やそのクロス円通貨がじり高基調で推移する序盤となった。途中、独IFO景気指数が予想以上に悪化する内容になったことを嫌気する動きが見られたものの、堅調な株価動向を背景としたリスク回避の巻き戻し姿勢が強く、これら通貨は上下しながらも底堅い値動きを続けた。